誰もが初めての結婚式!「自分たちで作る」は可能なのか?
jun 15, 2026 / Column最近のご相談傾向が変わってきました。
結婚式場以外の場所で結婚式をやりたいと考え、自分たちで準備をしようと思い準備をはじめられたご夫妻より、
場所は予約しました。衣装も借りました。披露宴ではなく会食のみで考えています。
派手な演出とかは考えていません。あと、どうするべきか?
というような感じです。
一見すると、順調に準備が進んでいるように見えるのですが
「この先、何をしたらいいのか。」
「本当にこれで当日大丈夫なんだろうか。」
「スタッフとの連携や伝達を、自分たちだけでできるのか。」
そんな不安ですね。
今はインターネットやSNSのおかげで、結婚式に必要なものを自分たちで探し、
手配することができる時代になりました。
会場を探すこともできます。
衣装を借りることも買うこともできます。
カメラマンを探すこともできます。
行きつけの美容師さんや、友人に司会を依頼することもできます。
だからこそ、「結婚式くらい自分たちでできるだろう。」
そう考える方が増えているのも自然なことなのかなぁと思います。
実際に、自分たちの力で結婚式をつくり上げる方もいらっしゃいます。
「自分たちだけで準備しよう」という発想は、結婚式場の金額が高いからなんですよね。
少しでも、かけなくてもいいところに、お金はかけたくない。
そんな思いからなのです。正しい判断だと思います。
ただ、結婚式は人生で何度も経験するものではありません。
ほとんどの方にとって、一生に一度。誰もが初めてです。
家を建てる時には住宅会社があります。
車を買う時には営業担当がいます。
保険に入る時には担当者がいます。(ネット保険とかもあるけど…)
けれど結婚式だけは、「何とかなるだろう。」
と思われがちです。
もちろん何とかなることもあります。
終わった後に「自分たちでできたやん!」と思えたかもしれません。
でもゲスト様は「なんかグダグダだったよね」と、もしかしたら思ったかもしれない。
レストランスタッフも、当日までは二人と段取りしたけど、
当日は「誰かまとめてくれよー。誰が責任者なんよー。」と、確実に思います。
現場に長く立っているからこそ、見えてくることがあります。
結婚式で本当に難しいのは、手配ではありません。連携なんですよね。
会場。美容。衣装。写真。映像。音響。司会。
それぞれを個別に依頼することはできます。
けれど、その全員に同じ情報を伝え、同じ方向を向いてもらうことは、
想像以上に難しいんですよ。
挙式は何時なのか。
美容の仕上がり時間はいつなのか。
写真撮影はどこで行うのか。
乾杯は何時なのか。
集合写真はどこで撮るのか。
雨が降ったらどうするのか。
誰がゲストを案内するのか。
ほんの少しの認識の違いが、当日の慌ただしさにつながることもあります。
例えば、気づかなかったモレヌケが当日に発覚したら!
どうなると思いますか?
あるご相談者様が、こんなことをおっしゃいました。
「自分たちの周りの人や知り合いに頼み、全ては調達できました。
でもその全てをまとめることをお願いしたい。」と。
私からすると、カオスな依頼です(笑)
でも、逆にありがたいなぁ、嬉しいなぁと思うのです。
なぜなら、その不安こそが結婚式の本質に近いものだからです。
多くの方は、会場を決める。衣装を決める。写真を決める。引出物を決める。
そんな「モノ」の準備が結婚式だと思われています。
もちろん、それも大切な準備です。
けれど現場に立っていると、結婚式は少し違って見えます。
まず、その日を受け入れてくれる「場所」があります。
そして、その日を支えてくれる「人」がいます。
それぞれが同じ方向を向き、一つのチームになる。
そこではじめて結婚式を行う土台ができあがります。
そして、その上というか、中というか、そこに、新郎新婦が大切に準備してきたものが置かれていくのです。
料理。飲物。衣装。指輪。装花。手紙。引出物。誓約書。受付グッズ。
そして、大切なゲストの皆様。
結婚式は、モノをその場所に入れて完成するものではありません。
場所と人が一つになり、そこへお二人の想いを重ねていく。
ということでしょうか。
その時、初めて結婚式になるのだと思っています。
私は35年間、この仕事をしてきました。
でも振り返ってみると、結婚式をつくっていたつもりで、
実際には人と人をつないでいたのかもしれません。
新郎と新婦。
ご家族とご家族。
ゲストとお二人。
そして、それを支えるスタッフ同士。
それぞれを結び、一つの時間をつくり上げていく。
その積み重ねが結婚式なのだと思います。
だからこそ、途中で不安になった時は、その不安を大切にしてほしいのです。
「これで本当に大丈夫かな。」
そう思うのは、準備不足だからではありません。
結婚式を大切に考えているからこそ生まれる不安です。
誰もが初めてだからこそ、わからなくて当たり前。
結婚式は、会場を予約したら完成するものではありません。
衣装を借りたら完成するものでもありません。
たくさんの人の力と想いがつながり、一つになった時に、初めてその日だけの特別な時間が生まれます。
2人が当日を満喫するために、当日を冷静に見守り動かしてくれるプロは確実に必要だと思うのです。
それは、二人の為でもあるし、わざわざお越しくださるゲストの為でもあります。
そして、大切な一日のために、場所を提供してくれる、会場の為でもあるのです。