むき出しの美しさに、なぜ私は惹かれるのか
jan 31, 2026 / Column先日、Netflixで「ソロ活女子のススメ」というドラマを見ていたら
その中に、工場夜景のシーンが出てきました。
無数の配管。
絡み合う鉄骨。
積み重なる装置。
目的のためだけに組み上げられた構造体が、
結果として、ひとつの巨大な彫刻のように立ち上がっているのです。
京浜工業地帯の工場を、海から見学できるクルーズがあるらしい。
むき出しの構造体が、夜の闇の中に浮かび上がるその景色は、圧倒的に美しいという。
そぎ落とした結果、残った姿。
必要なものだけで成立している形。
そこには、飾りも、言い訳も、取り繕いもない。
必要のないカバーは、ないほうが美しい。と、ドラマの中で誰かが言っていた。
「そうか。そういうことか。」
私は画面を見ながら、思わずそう呟いていました。
富山にも、工場地帯があります。
結婚式の現場へ向かう車の中、何気なくその横を走りながら、
「かっこいいなぁ。降りて、絵を描きたくなる。」というと
同行しているスタッフは笑いながら
「車止めて降りてみる?」と言ってはくれるが
……どうやら、あまり共感されないらしい(笑)。
けれど、私にとって工場は、
「無機質な建物」ではなくて。
機能を極限まで追求した結果として生まれた、
必然のカタチだと思っていて。
美しく見せようとしたわけではなくて。
誰かに見せるために、作られたわけでもなくて。
ただ、役割を全うしようとした結果が、そこに立っている。
その姿がたまらなく、美しくて格好がいい。
人に例えると、シンプルな服装で、装飾品つけてなくて、無口なシゴデキ男。
車に例えると、ボルボかな。
そんな感じです。
思えば、私の結婚式づくりも、よく似ているのかなぁと。
派手な演出は、いらない。
高額な装飾も、必要ない。
「映え」を狙った演出は、むしろ避けたい。
けれど、
感謝を伝えること。
想いを届けること。
人生の節目として、きちんと「形」にすること。
ここだけは、絶対に削らない。
本当に必要なものだけを残し、
それ以外は、勇気をもって削ぎ落とす。
そうして生まれる結婚式こそが、
私はいちばん美しいと思っています。
工場が、機能の集積として美しく立ち上がるように、
結婚式もまた、想いと意味の集積として、美しく立ち上がる。
そこに、余計なカバーはいらない。
余計なカバーがあるから、変なクレームが生まれたりするのだと思っています。
花やブーケのイメージが違う。
タイミングがずれていた。
パニエが違う。アクセが違う。
ウェルカムスペースが頼んだ感じと違う。
ミスは絶対許されなくて。でも、頼まれた以上は100%やらなきゃいけません。
若手のプランナーは本当に大変だと思う。
私も若い頃は、足すことで価値を作ろうとしていました。
華やかに。豪華に。賑やかに。サプライズもたくさん組み込んで!笑
ブライダル始めて、10年くらいはそうだったかも。
でも今は、違う。
ブライダル業界に35年居座ったから
削ぎ落とした先にこそ、本質が見えると知ることができました。
むき出しになった構造。
むき出しになった想い。
むき出しになった人生。
そこには、取り繕う余地がないからこそ、
嘘のない、美しさが宿るのだと。
なぜ私は、工場地帯の、あの入り組んだ建物に惹かれるのか。
その理由が、ようやく言葉になった気がしました。
それはきっと、私がずっと探し続けている
「本質のかたち」を、そこに見ているからなんだと思う。
LESS IS MORE。
少ないほど、豊かである。
飾り立てて美しさを生むよりも、大切な気持ちを積み上げた方が
美しいものになると知っています。
見た目以上の、肌で感じる美しさ。
そういう感じを伝えていきたいし、表現していきたい。
それが、今の私の選んだ、生き方なのです。
工場夜景ジャングルクルーズ(川崎・横浜) | 夜景クルージング
あんまりもう欲望はないのだけど、これだけは死ぬまでには行ってみたいな。
と思った笑