「結婚式って、やる意味あるの?」と聞かれたら、私はこう答えます。

jun 29, 2025 / Column

「結婚式って、なんのためにするんですか?」

私はこのブライダル業界に35年いますが、この質問を投げかけられることがよくあります。

たしかに今は、結婚式を挙げないカップルも増えています。
その理由は様々です。

たとえば──

  1. 面倒くさそう

  2. 準備が大変そう

  3. お金がかかりそう

  4. 興味がない

  5. 意味が感じられない

でも、もしあなたが「結婚式、どうしようかな」と少しでも迷っているのなら、
この5つの理由、実は“ちょっとした誤解”が含まれているかもしれないことを、今日はお伝えさせてください。

1.面倒くさい?

わかります。仕事や日々の生活が忙しい中で、式の準備をするのは大変そうに見えますよね。

でも実は、**「面倒くさくない結婚式のやり方」**は、ちゃんと存在します。

進行も衣装も演出も、必要最小限でいい。
誰かと比べる必要も、完璧を目指す必要もありません。

「ありがとう」を伝える時間さえあれば、それだけで十分価値がある。

今は、ふたりのスタイルに合わせてスモールウェディング家族だけでの結婚式という形も選べます。
準備だって、プロがシンプルに導いてくれる時代です。

2.準備が大変そう?

これも、実はそういうイメージが残っているだけかもしれません。

今は「自分たちで考えてプログラムや印刷物や映像、ウェルカムスペースの小物やグッズなどを作る」というより、
「必要なことだけを選んで進めていく」スタイルが主流になってきています。

負担をかけずに、プロと一緒に進められる方法がいくらでもあります。

結婚式に必須ではない準備が多いため、大変なのです。

3.お金がない?

「結婚式=高額」
これは、たしかに一般的な式場やホテルでの見積もりではよくある話です。

そして、最初の見積もりより、最終的には何十万もアップしてますよね?

最近では、場所を自分たちで選んで、必要なものだけを持ち込むというスタイルで、
100万円以下、なかには数十万円でも立派な式ができたカップルもいます。

公園やレストラン、思い出の場所など、
**「自分たちらしい場所で、自分たちの規模でやる」**という選択ができる時代なんです。

4.興味がない?

これは正直、私にもすこし不思議です。なぜ興味がないのか・・・。
でも、もしかしたら「これまで見てきた結婚式」がピンとこなかっただけかもしれません。

・派手すぎる演出
・形式ばかりで心がない進行

・テンプレのよう
・「これって誰のため?」と思ってしまうような式

そういう結婚式に触れていたら、興味がわかないのも当然だと思います。

でも、**「結婚式ってこんなに温かいんだ」**と思える体験があることも、ぜひ知ってほしい。

たとえば──

  • お父さんが目に涙を浮かべて「幸せになれよ」と言ってくれた瞬間

  • お母さんが「あなたのお母さんになれて良かった」と微笑んだ瞬間

  • パートナーが、これまで以上に愛おしく見えた瞬間

そういう瞬間は、式の中にそっと訪れるものなんです。

5.意味がない?

人生にはいくつか、「ちゃんと形にした方がいい節目」があります。
結婚式はそのひとつです。

それは、過去と未来をつなぐ橋のようなもの

今までの人生で出会った人たちに「ありがとう」を伝え、
これから共に生きていく人に「よろしくね」を誓う。

そんな、人生のけじめを“ちゃんと形にする”機会って、実はそんなに多くないんです。

最後に──

結婚式って、親にとっては「もうひとつの誕生日」でもあるんです。

「生まれてきてくれてありがとう」
「ここまで育ってくれてありがとう」
「幸せになってくれてありがとう」

そのすべてが詰まった、一日。

だから私は、
「やらない」という選択肢の前に、
「どんな形なら、無理なくできるか」を一緒に考えてみてほしいと思っています。

それが、親にとっても、ふたりにとっても、
心に残る宝物になることを知っているから。